日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

【芥川賞 書評】グランド・フィナーレ - 阿部和重

レビュー 初めて阿部和重を読んだ。有名どころから入りたくて、芥川賞を受賞したグランドフィナーレを読んでみた。 いやぁ、難しい。正直なところ、小説として面白いとは思えなかった。 けれど、解説込みでなんとか「そういうことなのかな」という納得感みた…

【映画化】十二人の死にたい子どもたち - 冲方丁

レビュー いやー、面白かった!平日の夜なのに読了したら午前3時。引き込まれて450ページを一気に読み切ってしまった。 物語のあらすじは、以下の通り。 いわゆる集団自殺のお話。ネットで知り合った12人の自殺希望者が集まるのだけど、会場には既に1人の死…

【芥川賞 問題作】コンビニ人間 - 村田沙耶香

レビュー この物語の主人公は36歳の女性。コンビニで18年間アルバイトをしている。 未婚で恋愛経験なし、それどころか自分を世の中の異物のようにずっと感じていた。それはひょっとしたら発達障害と診断されるようなものかもしれない。 そんな主人公が普通で…

【映画化】日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ - 森下典子

レビュー 大学時代に茶室に通い始めた主人公の女性。 仕事、交際、父との離別。この本の中では主人公の過ごした20年間が描かれる。 だけど、その傍にはいつでも茶道があった。 彼女は茶道から、そして茶道の先生からたくさんのことを学ぶ。 それは決して知識…

【芸術と情熱】楽園のカンヴァス - 原田マハ

レビュー とても面白くて一気に読んでしまった。 魅力的なキャラクターや、謎解きのような夢中になれるストーリー、そしてアートの歴史と世界。それら全てが、とても読みやすく落ち着いた原田マハの文筆力で展開される。それゃあ面白いに決まっている。 だけ…

【娼年その後】逝年 - 石田衣良

レビュー 前作である「娼年」では、女性用の風俗で働き始めた主人公にスポットライトが当たっていた。女性やセックスに対して淡白だった主人公は、仕事を通して多様な欲望の形に出会い、才能を開花させていく。 一方で今作「逝年」はその続編であり、フォー…

【SF紀行文】旅のラゴス - 筒井康隆

レビュー 初の筒井康隆。 主人公のラゴスは、一生分の人生を費やす旅をする。たった230ページなのに、その間には数十年の月日が経ち、とても長い物語を読んだかのような気分。 旅先で出会う人々やその生活の描き方はそれなりに丁寧で、しっかりと紀行小説と…

【堂々完結】新世界より(下) - 貴志祐介

レビュー ああ、面白かった。こんな面白い本を読まずに過ごしていたなんて…! 上巻から下巻まで一気読みだった。こんなにも一瞬で読んだ三部作は初めてかもしれない。 まず何より、悪鬼のホラー描写がなんとも秀逸。 それは超能力の強さとか、描写の上手さも…

【書評】新世界より(中) - 貴志祐介

レビュー 早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたち…

【ディストピア超能力SF】新世界より(上) - 貴志祐介

レビュー まだ上巻。中巻と下巻が控えていることを承知で、上巻を読んだ感想を。 前半では、能力を持つ前の子どもたちが育てられる途上を描く。 子ども時代を振り返るという形式での記述が上手く、淡い懐古を感じさせる読み味。 まだ世界の全容を知らない子…

【時間戦争SFの傑作】時砂の王 - 小川一水

レビュー 邪馬台国の時代にて、卑弥呼が1人のメッセンジャーと出会うところから物語は始まる。 卑弥呼の人間臭さとか、理解力の高さも含めて、物語にすんなりと引き込まれた。 メッセンジャーというのは人造知性体であり、ETと戦うために存在している。 そ…

【書評】定年オヤジ改造計画 - 垣谷美雨

レビュー 「定年オヤジ改造計画」 タイトルから察せられるのは、どうしようもないオヤジが周りの人々によって再生していくという話。 もうね、いつも通りの安定した垣谷節を期待していた。どうせ、面白いに決まっている!と。 果たして、内容はそのとおりだ…

【書評】他人を攻撃せずにはいられない人 - 片田珠美

レビュー 「他人を攻撃せずにはいられない人」と聞くと、直接的な悪口や嫌がらせが頭に浮かぶけれど、本書で扱う「攻撃」はもう少し広範囲だ。 例えば、他人を無価値化したり、罪悪感を抱かせて支配しようとしたり、攻撃せずにいられない人の手段はバラエテ…

【日仏アート小説】たゆたえども沈まず - 原田マハ

レビュー 同じ美術小説として、どうしても「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」と比べてしまう。 これらは紛れもない傑作なのに、「たゆたえども沈まず」はどうしても霞んで見えてしまった。 どうして霞んで見えたのだろう。 おそらく、フィンセント・…

【国内本格ミステリSF】果しなき流れの果に - 小松左京

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫)作者: 小松左京出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2018/06/13メディア: 文庫この商品を含むブログを見る N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計…