日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

★★★★☆

なかなかの佳作

【痛みを自分のものとして感じる自由と幸福】虐殺器官 - 伊藤計劃

虐殺器官新版posted with ヨメレバ伊藤計劃 早川書房 2014年08月 楽天ブックスAmazonKindle レビュー まず、海外ドラマっぽさを感じた。アクションあり、ミステリーあり、そしてSFあり。1冊の娯楽小説として、安心してその展開に身を委ねることができる。 構…

【江戸の算術士の旅路を描く】天地明察(上)- 冲方丁

天地明察(上)posted with ヨメレバ冲方 丁 KADOKAWA 2012年05月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総評 冲方丁を読むのは「十二人の死にたい子どもたち」に続き、これで二冊目。 天地明察については、名前を知っていた程度。なんとなく、タイトルとあらす…

【旅、料理、異文化、人生の転機と幸福について】あなたは誰かの大切な人 - 原田マハ

あなたは、誰かの大切な人posted with ヨメレバ原田 マハ 講談社 2017年05月16日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 原田マハを読むのはこれで11冊目になる。けれど、短編を読むのはこれが初めて。 収録されたエピソードは6つ。それぞれ、人生の転…

【中上級者向けSF短編集】ビット・プレーヤー - グレッグ・イーガン

ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF)作者:グレッグ イーガン発売日: 2019/03/31メディア: Kindle版 書評 グレッグ・イーガンによるSF短編集。6つのそれぞれ領域の異なるストーリーが収録されている。 SF的な紹介をするなら、以下の通りになる。 七色覚: 身…

【星雲賞短編SF傑作選】てのひらの宇宙 - 大森望

てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) (創元SF文庫)発売日: 2013/03/21メディア: 文庫 総評 あの大森望さんが編纂したSF短編集。収録されるのは、星雲賞を受賞した短編たち。 あまり期待せずに読み始めたところ、案外よかった。短いながらもストーリーや世界…

【再会の短編集】ロング・ロング・アゴー - 重松清

ロング・ロング・アゴーposted with ヨメレバ重松清 新潮社 2012年07月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 総評 読書家さんからオススメされた一冊。「再会」をテーマにした短編集とのことで、興味を惹かれた。 自分の選好として、短編集はあまり得…

【型破りなダークサスペンス】OUT(下)- 桐野夏生

Out(下)posted with ヨメレバ桐野夏生 講談社 2002年06月15日 楽天ブックスAmazonKindle レビュー 先の展開が気になるような、絶妙な終わり方をした上巻。対して、下巻では予想外な方向へと物語が進行する。 定形通りなら、物語の主眼は「犯行がバレるのか…

【書評・要約】非常識な成功法則 - 神田昌典

非常識な成功法則新装版posted with ヨメレバ神田昌典 フォレスト出版 2011年10月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー とあるユーチューバーが紹介していたので購入してみた。 まず、文面から感じられる筆者の人柄に惹かれる。あけっぴろげで正直、…

【ダークなミステリー小説】命売ります - 三島由紀夫

命売りますposted with ヨメレバ三島由紀夫 筑摩書房 1998年02月 楽天ブックスAmazonKindle 総評 主人公の羽仁男は、自殺未遂に失敗して病院で目が覚める…という、とっても奇抜な始まり方をする小説。 「一度死んだ」人間は向かうところ敵なしで、「命売りま…

【晩年の郷愁と後悔】日の名残り - カズオ・イシグロ

日の名残りposted with ヨメレバカズオ・イシグロ/土屋政雄 早川書房 2001年05月31日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総評 端的に言えば「かつての同僚に会いに小旅行をする」という、それだけの物語なのだけど、その進行は非常にゆるやか。文量の大半は…

【苦楽生死、均しく感謝】塩狩峠 - 三浦綾子

塩狩峠改版posted with ヨメレバ三浦綾子 新潮社 2005年02月 楽天ブックスAmazonKindle 書評 三浦綾子と言えば、最も有名な著作は「氷点」だと思う。かく言う自分も、まず氷点を読んだ。 それから、ツイッターで「塩狩峠」の名前を見るようになった。例えば…

【思考と快楽】デッドライン - 千葉雅也

デッドラインposted with ヨメレバ千葉 雅也 新潮社 2019年11月27日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総評 ところどころ、難解な小説だった。と感じるのは、自分に哲学の素養がないからかもしれない。 この小説は哲学を専攻するゲイの大学院生を主人公とす…

【先輩ゲイからのエール】まずは、ゲイの友だちをつくりなさい - 松中権

総評 「LGBT初級講座」と銘打った本書。1人のゲイ当事者として手にとってみた。 「LGBT」とは言え筆者はゲイであり、ゲイの視点が多い。しかし杉野文野さんというトランスジェンダーの友人の話が度々登場する。文中では杉野文野さんの書籍が紹介されており、…

【文化人類SFの最高峰】所有せざる人々 - アーシュラ・K・ル・グィン

所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)作者: アーシュラ・K・ル・グィン,Ursula K. Le Guin,佐藤高子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1986/07/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 76回この商品を含むブログ (37件) を見る レビュー SF小説の必読書と言われる…

【人生の再構築】ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。 - 幡野広志

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。posted with ヨメレバ幡野 広志 ポプラ社 2019年05月28日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー がん患者である幡野広志さんが書かれたエッセイ。命について、家族について、人生について、丁寧に描…

【もっとSFを好きになる】いま集合的無意識を、 - 神林長平

いま集合的無意識を、posted with ヨメレバ神林長平 早川書房 2012年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 総評 神林長平による、意識をテーマにした短編集。全6篇。 国内SF作家の第一人者によるSF短編集。非常にわくわくしながら読んだ。 果たし…

【東京、夜、そして縁】おやすみ、東京 - 吉田篤弘

おやすみ、東京posted with ヨメレバ吉田篤弘 角川春樹事務所 2019年09月14日 楽天ブックスAmazonKindle レビュー 吉田篤弘については詳しくないのだけど「おやすみ東京」というタイトルとこの表紙はちょっとズルい。一度目にしたら気になってしまう魅力があ…

【大人の恋愛小説】マチネの終わりに - 平野啓一郎

マチネの終わりにposted with ヨメレバ平野 啓一郎 文藝春秋 2019年06月06日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 平野啓一郎を初めて読む。以前から気になった作家ではあるけど。 「マチネの終わりに」は恋愛小説であり、どちらかと言えば苦手分野。…

【農業エンタメ】農ガール、農ライフ - 垣谷美雨

農ガール、農ライフposted with ヨメレバ垣谷美雨 祥伝社 2019年05月15日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 垣谷美雨さんの作品を読むのは何冊目になるんだろう。今回もご多分に漏れず、及第点を軽く超えてくる出来栄え。 社会問題に触れつつも良…

【うつ病の心理】心の休ませ方 - 加藤諦三

心の休ませ方posted with ヨメレバ加藤諦三 PHP研究所 2006年10月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー かれこれ3年以上前から、ニッポン放送の「テレフォン人生相談」を聴き続けている。加藤先生の的確で鋭いアドバイスは、テレフォン人生相談の魅力…

【感想】いやでも物理が面白くなる - 志村史夫

いやでも物理が面白くなる〈新版〉 「止まれ」の信号はなぜ世界共通で赤なのか?posted with ヨメレバ志村 史夫 講談社 2019年03月13日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー SFが大好きな自分はずっと物理を学びたかった。宇宙や時空について詳しくな…

【文芸オタクの本紹介】人生を狂わす名著50 - 三宅香帆

人生を狂わす名著50posted with ヨメレバ三宅 香帆/今日 マチ子 ライツ社 2017年09月29日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 人生を狂わす名著と称して50冊が紹介される。 紹介されるのは小説だけではない。古典文学・短歌・漫画など、幅の広さを見…

【芥川賞】むらさきのスカートの女 - 今村夏子

むらさきのスカートの女posted with ヨメレバ今村夏子 朝日新聞出版 2019年06月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー まず、冒頭。あたかも不思議な生物を紹介するかのように、「むらさきのスカートの女」について解説される。そしてそれをメタ視点で…

【韓国 群像劇】フィフティ・ピープル - チョン・セラン

レビュー この本にはタイトルの通り、50人の人々が登場する。 (実際には51人だけど。作者がつい書きすぎてしまったらしいw 登場人物は、韓国人もいれば、そうでない人も登場する。 男性も女性も、子どもも年寄りも、ゲイもレズビアンも登場する。 共通点と…

【対談本】愛と欲望の雑談 - 雨宮まみ 岸政彦

レビュー 対談本というものを初めて読んだ。 対談に臨むのは、エッセイストの雨宮まみと社会学者の岸政彦。 僕は雨宮まみが大好きで、そのネームバリューだけでこの本を購入したようなもの笑 だけど対談本だから話し口調なのだ。雨宮まみのいつもの研ぎ澄ま…

【投資の入門書】超簡単 お金の運用術 - 山崎元

超簡単お金の運用術全面改訂posted with ヨメレバ山崎元 朝日新聞出版 2013年09月13日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 面白かったし、為になった。 資産運用に関して具体的に何をすればいいのかをまず一章でハッキリと書いてくれるので、取っつ…

【さすがの分かりやすさ】知らないと損する 池上彰のお金の学校 - 池上彰

レビュー さすが池上彰先生。分かりやすくて簡潔だった。 高校でチンタラと時間をかけて学ぶような経済のエッセンスを学ぶことができる良書。 ただ、あまり難しい内容では無いので、物足りなさはあるかも。より難度の高い本への入門書。 星評価 ★★★★☆ 本日レ…

【地方の閉鎖感】ユートピア - 湊かなえ

レビュー 地方の閉鎖的なコミュニティでのお話。 相互監視的な空気感とか、不可避的な「お付き合い」は読んでいるだけで疲れた。 それにも増して、この本の登場人物は基本的には自分のことしか考えていない。どうすれば都会に返り咲くことができるのか。どう…

【ちょっと切ない家族小説】星々の舟 - 村山由佳

レビュー 面白くて一晩で読み切った 機能不全とも言える家族は、時間の経過とともに表面上は収まるところに収まったかのように見える。けれども実際には、家族の構成員は満たされない想いや未解決の問題を抱えている。そんな各々の視点で描かれる短編集。 あ…

【コールボーイ】娼年 - 石田衣良

娼年posted with ヨメレバ石田衣良 集英社 2004年05月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 女性やセックスを退屈だと決めつけていた少年が、ぬるりと娼婦ならぬ娼年の仕事を始めるお話。 娼年の出会う客は変わった嗜好を持つ女性ばかりなんだけど、…