日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

【辛口書評】そして、バトンは渡された - 瀬尾まいこ

星評価

★★★☆☆

 

あらすじ

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

  

書評

瀬尾まいこの本を読むのはこれで2冊目。
以前「卵の緒」を読んだ時はあまり違和感を感じることは無かった。恐らく、中編として程良い短さだからサクサクと読めてしまったのだ。
だけど「そして、バトンは渡された」は冗長で、正直言えば退屈だった。

あらすじと帯を見たときは家族の多様性を書く小説だと期待したし、事実そうだったのだけど、その描き方があまりに希薄だった。
その一点のみを薄く引き伸ばしてなんとか長編にしました、という印象を受けた。

イジメのシーンが挿入されるけど、それは本当に申し訳程度。
悪評を立てる女生徒に、あぁ本当のことを言ったほうが良いのかな、うん言っちゃおう、と内心の前置きをして、自分の来歴をつらつらと話す主人公の優子。それを聞いてハッと息を呑むクラスの生徒たち。
もうね、ツイッター嘘松かと。「私の考えた最強の主人公」を披露されているようで、ちょっと薄ら寒かった。

四人の親たちはとても奇異な感じ。
不思議と娘を諦められる実父。
不思議と裕福で寛容な二人目の父親。
不思議と鼻につくやりとりが止まることを知らない三人目の父親。
そして何より梨花さん…あなたそれは無いよ(手紙の件に関して)。実父も娘も、それは怒らないとダメなんじゃないかな。少なくとも内心では。
その軽薄さは人によっては棘がなく当たり障りの無い優しい世界と読めるのかもしれないけど、個人的には物語の練度の低さとしか受け取れなかった。

親たちのバックグラウンドというか心情がいつ語られるのかと期待するも、二章を読み始めたあたりで諦念が湧いてくる。この物語はきっと最後まで表層を滑走していくのだと、分かってしまう。
二章は圧倒的な蛇足で、物語の収束とは裏腹に読み手としては加速度的に気持ちが白けていった。


とは言え、家族の多様性を描いた小説が本屋大賞に選ばれる意義はあると思うので星3つで。
この本を契機に読書好きが増えるならそれは良いこと。

 

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